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博多区の収益物件相場|公示地価・家賃・利回り【2026】

— TL;DR —
  • 博多区の一棟RC収益物件は成約中央値2.8億円・平均表面利回り5.4%(当社調べ)。福岡市7区の中では「利回りと単価のバランス」が最も取れたエリアです。
  • 一棟RCの成約価格は過去5年で約34%上昇。賃料の伸びは限定的なため、利回りは緩やかに低下しています。価格上昇=利回り低下の関係を分けて見ることが大切です。
  • 利回りは築年数で大きく動きます。築10年以内4.6%、築31年以上8.2%と差が出る一方、築古ほど空室率(3.2%→11.4%)も上がるため、利回りの数字だけでは判断できません。
  • 1K平均賃料は月12,480円、世帯数は約11万。博多駅・祇園周辺の単身・ビジネス需要が賃貸の底堅さを支えています。
  • 博多コネクティッドや祇園・呉服町の再開発が、駅前物件の評価を中期的に押し上げる見込みです。「買う・売る」どちらも、相場の一点ではなく築年・立地・出口で見るのが基本です。

博多区で収益物件の購入や売却を検討するとき、最初に知りたいのは「いまの相場はいくらか」「利回りはどのくらいか」だと思います。ただ、博多区の相場は一つの数字ではなく、築年数・立地・構造・入居状況で帯のように分布します。一点だけを見て高い・安いと判断すると、購入でも売却でも見立てを誤りやすいのが実情です。本記事では、博多区の一棟収益物件について、公示地価の動き・成約中央値・築年帯別の利回りと空室率・1K賃料と賃貸需要・再開発の影響までを、当社の福岡市7区エリアデータと一次情報をもとに順に整理します。本記事の数値は一般的な目安であり、個別の投資判断や税額は専門家にご確認ください。

博多区の収益物件相場の全体像|成約中央値・利回り・賃料

博多区は、博多駅・祇園・呉服町を中心に商業とオフィスが集積し、福岡市の中でも投資需要が最も厚いエリアの一つです。当社調べ(2026年版 福岡市7区エリアデータ)では、一棟RCマンションの成約中央値は2.8億円、平均表面利回りは5.4%。利回りそのものは東区(6.2%)や西区(7.1%)より低めですが、価格の下支えと入居の安定性が強く、利回りと資産保全のバランスを重視する投資家に選ばれています。1Kの平均賃料は月12,480円で、これは中央区(13,820円)に次ぐ7区2位の水準です。賃料の高さは、博多駅を起点としたビジネス・単身需要の厚みを反映しています。

2.8億円
一棟RC 成約中央値(当社調べ)
5.4%
平均表面利回り(当社調べ)
12,480
1K 平均賃料・月(当社調べ)

注意したいのは、表面利回り5.4%という数字は「築11〜20年・中央値クラス」の平均像にすぎないという点です。実際には築年数で利回りが3〜4ポイント動くため、ご自身が検討する物件がどの帯にあるかを確認しないと、相場感は掴めません。次章以降で、価格推移と築年帯別の実データを順に見ていきます。福岡市全体の利回り水準と比べたい場合は、福岡市 収益物件の利回り相場もあわせてご参照ください。

博多区の公示地価と価格推移|5年で約34%上昇

博多区の一棟RC成約価格は、過去5年で約34%上昇しています(当社調べ)。背景にあるのが、博多駅周辺の再開発と、地価そのものの上昇です。地価の動きは国土交通省 地価公示で各地点を確認できますが、博多区は商業地・住宅地ともに福岡市内で上昇率の高いエリアが集中しています。ここで押さえておきたいのは、価格が上がると、賃料の伸びが追いつかない限り表面利回りは下がるという関係です。博多区はまさにこの局面にあり、価格上昇局面の「利回り低下」を、収益力の悪化ではなく市場評価の高まりとして読む視点が必要になります。

一棟RC 成約中央値 傾向
2021年 2.09億円 コロナ後の底
2022年 2.24億円 回復局面
2023年 2.48億円 上昇加速
2024年 2.67億円 再開発期待が反映
2025年 2.78億円 高値圏で推移
2026年 2.80億円 上昇は緩やかに

※当社調べ(2026年版 福岡市7区エリアデータ)。一棟RCの成約中央値の推移で、立地・規模で前後します。

価格の伸びは2023〜2024年がピークで、直近は上昇が緩やかになっています。これは「これ以上は利回りが見合わない」という買主側の採算ラインに価格が近づいているサインとも読めます。売却を検討するオーナー様にとっては、高値圏が続いている今が出口を考える一つのタイミングではありますが、急ぐ必要はなく、手残り(税引後)で比較してから判断するのが確実です。

築年帯別の利回り・成約価格・空室率|博多区の実データ

博多区の収益物件相場を正しく読むには、築年数の帯ごとにデータを分けて見る必要があります。下表は当社調べによる築年帯別の表面利回り・成約価格・直近成約件数・空室率です。築古ほど利回りは上がりますが、同時に空室率も上がるのがはっきり表れています。利回り8.2%(築31年以上)は魅力的に見えますが、空室率11.4%という運営リスクとセットであることを忘れてはいけません。

築年帯 表面利回り 成約価格 直近成約件数 空室率
築10年以内 4.6% 3.8億円 12件 3.2%
築11〜20年 5.4% 2.8億円 24件 4.8%
築21〜30年 6.8% 1.9億円 31件 7.2%
築31年以上 8.2% 1.2億円 18件 11.4%

※当社調べ(2026年版 福岡市7区エリアデータ)。表面利回りは年間家賃収入÷価格の目安で、個別物件で前後します。

成約件数が最も多いのは築21〜30年帯(31件)で、博多区では「築古でも立地が良ければ売れる」市場が成立していることがわかります。これは、博多駅・祇園周辺の土地評価が高く、建物の収益力が落ちても土地値が価格を支えるためです。購入側は利回りの高さに惹かれる前に、空室率・修繕履歴・残存耐用年数を確認し、実質利回り(運営コスト控除後)で採算を見ることが欠かせません。次のチェックリストは、博多区の収益物件を相場と照らす際の確認項目です。

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1K賃料と世帯数から見る博多区の賃貸需要

収益物件の価値は、最終的に賃貸需要が続くかどうかで決まります。博多区の世帯数は約110,840世帯(当社調べ・福岡市統計ベース)、1K平均賃料は月12,480円です。賃料が7区2位の水準にある理由は、博多駅を起点としたオフィス通勤の単身者・転勤者の需要が安定して厚いためです。福岡市は政令市の中でも人口・世帯数が増加を続けている数少ない都市で、その中でも博多区は昼間人口が多く、賃貸の回転と埋め戻しが比較的早いエリアです。人口・世帯数の推移は福岡市 人口・統計情報で確認できます。

ただし、需要が厚いことと「どの物件でも埋まる」ことは別です。博多区でも、駅から離れた立地や設備が古いまま放置された物件は、賃料を下げないと埋まりにくくなっています。単身需要が中心ということは、競合も多く、設備・内装の競争が起きやすいということでもあります。賃貸需要の厚さに甘えず、退去時のリフォームや賃料設定を相場に合わせていくことが、利回りを実際に維持する条件になります。エリアごとの賃貸需要の違いは、福岡市7区の不動産相場・利回り比較で7区横断で整理しています。

「表面利回りの高さ=高収益」ではありません。博多区の築古物件は利回りが8%を超えることもありますが、空室率11%超・修繕費・運営コストを差し引くと、実質利回りは大きく下がります。広告の表面利回りを鵜呑みにせず、現況の入居状況とレントロールの中身を必ず確認してください。

博多コネクティッド・祇園再開発が相場に与える影響

博多区の収益物件相場を中期的に見るうえで外せないのが、博多駅周辺の再開発です。下表は当社が注視している主な再開発と、想定される物件評価への影響です。なかでも博多コネクティッドは、博多駅前の建物高さ規制を緩和し容積率を引き上げる施策で、駅前エリアの再開発を後押ししています。

再開発プロジェクト 時期 規模 想定される影響
博多コネクティッド 2028年 10棟超の高層ビル 博多駅前物件の評価+8〜12%
祇園駅周辺再整備 2027年 商業+住居一体 祇園徒歩5分圏の賃料+5〜8%
呉服町地区再開発 2029年 複合高層3棟 中期的な価値の見直し

※当社調べ(2026年版 福岡市7区エリアデータ)。影響幅は見込みであり、確定的な値上がりを保証するものではありません。

再開発は、駅前・徒歩圏の物件にとっては評価を下支えする材料になりますが、注意点もあります。第一に、影響を受けるのは限られた徒歩圏で、同じ博多区でも駅から離れた物件には波及しにくいこと。第二に、再開発の進行に伴う供給増が、エリアによっては賃料競争を生むこともある点です。「博多区だから上がる」ではなく、その物件が再開発の恩恵を受ける位置にあるかを個別に見極める必要があります。購入なら恩恵圏の物件を、売却なら再開発期待が織り込まれている今を意識する、というのが基本的な考え方です。

博多区の収益物件はどんな買主が評価するか

博多区の一棟収益物件は、法人・遠方の投資家・地場の専業大家と、買主層が比較的厚いのが特徴です。中央区ほど単価が張らず、東区・南区より資産保全性が高い、という位置づけが、幅広い買主に受け入れられる理由です。築浅〜築20年のRCは融資が長く引けるため法人や属性の高い個人投資家が狙い、築古は利回りと土地値を見る現金中心の投資家が買う、という棲み分けが起きています。売却を考えるオーナー様は、自分の物件がどの買主層に向くかを想定し、その層が見たい数字(築浅なら立地と長期安定性、築古なら土地値と利回り)を資料の前面に置くと、成約までの期間を短縮しやすくなります。

出口戦略の観点では、博多区は「買主が付きやすい」エリアであるぶん、価格設定さえ適正なら成約しやすい市場です。逆に言えば、相場から外れた強気の価格は長期在庫になりやすく、結果的に値下げ交渉を招きます。博多区での一棟アパート売却で買主が見るポイントは博多区の一棟アパート売却で買主が見るポイント、一棟マンションの相場形成は福岡市の一棟マンション相場でそれぞれ詳しく整理しています。築年・エリア別のアパート相場は福岡市のアパート売却相場もご参照ください。

博多区の収益物件で起きやすい判断のずれと回避策

博多区の相場データを見たうえで、購入・売却の双方で起きやすい判断のずれを整理しておきます。第一は、表面利回りだけで割安・割高を判断してしまうこと。前述の通り、博多区は価格上昇で利回りが下がっている局面にあり、利回りが低い=割高とは限りません。立地と将来需要を含めて見る必要があります。第二は、築古の高利回りを過大評価すること。空室率・修繕費・融資の付きにくさを織り込むと、手残りは見た目ほど大きくならない場合があります。

第三は、再開発期待を物件全体に当てはめてしまうこと。恩恵を受けるのは駅徒歩圏に限られます。第四は、売却時に相場の一点(中央値2.8億円など)を自分の物件に直結させること。中央値はあくまで築11〜20年クラスの平均像です。回避策はシンプルで、相場を「帯」で捉え、自分の物件の築年・立地・入居状況を当てはめてから、複数の根拠で価格を確認することです。一社の査定だけで決めず、データに基づく根拠を並べてご判断いただくことをおすすめします。

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博多区の収益物件相場に関するよくあるご質問

博多区の収益物件の表面利回りの相場はどのくらいですか?
当社調べでは一棟RCの平均表面利回りは5.4%です。ただし築年帯で大きく動き、築10年以内は4.6%、築31年以上は8.2%が目安です。築古ほど利回りは上がりますが空室率も上がるため、表面利回りだけでなく空室率と運営コストを引いた実質利回りで採算を見ることをおすすめします。

博多区の一棟マンションの価格はこの数年で上がっていますか?
当社調べでは、一棟RCの成約中央値は2021年の約2.09億円から2026年の約2.80億円へ、5年で約34%上昇しています。ただし上昇は直近で緩やかになっており、価格が上がるぶん利回りは低下する局面にあります。地価の動きは国土交通省の地価公示でも確認できます。

博多区で利回りの高い築古物件は買って大丈夫ですか?
一概には言えません。築31年以上は利回り8.2%と高めですが、空室率は11.4%まで上がり、融資も付きにくくなります。博多区は土地評価が高く土地値が価格を支える面はありますが、修繕費・空室リスク・出口の取りやすさを含めて、実質の手残りで判断することが大切です。

博多コネクティッドなどの再開発で物件価格は上がりますか?
博多駅前の徒歩圏では評価を下支えする材料になり得ますが、影響は限られた範囲にとどまり、確定的な値上がりを保証するものではありません。同じ博多区でも駅から離れた物件には波及しにくいため、その物件が再開発の恩恵圏にあるかを個別に確認する必要があります。

博多区の収益物件は売りやすいエリアですか?
買主層が法人・遠方投資家・地場大家と厚く、価格設定が適正であれば比較的成約しやすいエリアです。直近の成約件数も築21〜30年帯を中心に多く出ています。ただし相場から外れた強気の価格は長期在庫になりやすいため、築年帯別データに沿った価格設定が成約の鍵になります。

博多区の物件価格を知りたいだけでも査定を依頼できますか?
できます。売却を前提とせず、現在の価格や利回りの目安だけ知りたいというご相談も多くお受けしています。守秘義務を厳守し、入居者や管理会社へ通知が行くことはありません。築年帯別データと直近事例をもとに、根拠を添えてお出しします。

Sources
国土交通省「不動産取引価格情報・地価公示」/福岡市「人口・統計情報」/国税庁「No.3211 短期譲渡所得と長期譲渡所得の区分」/成約価格・利回り・賃料・空室率は当社調べ(2026年版 福岡市7区エリアデータ)。本記事は一般的な情報提供であり、個別の税額算定・申告は税理士にご確認ください。

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監修 — 井口 忠二
株式会社アスパートナー 代表取締役 / 相続対策専門士・公認不動産コンサルティングマスター

明治大学商学部卒業、グロービス経営大学院修了(MBA)。大手不動産会社で東京23区トップセールス2年連続受賞。2017年アスパートナー設立。取引実績120億円超・成約800件超。福岡市7区に特化した投資用不動産・相続対策の専門家。

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