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福岡市の一棟マンション相場|取引価格・利回り・買主層【2026】

— TL;DR —
  • 福岡市の一棟マンション(RC造)の成約中央値は区で1.1億〜3.5億円、平均表面利回りは4.8〜7.1%のレンジです(当社調べ・2026年版)。区を一括りにした「福岡相場」では実態を見誤りやすいのが実情です。
  • 過去5年で成約価格は各区でおおむね22〜42%上昇(当社調べの概算)。天神ビッグバン・博多コネクティッド等の再開発が中心部を下支えする一方、利回りはやや低下傾向です。
  • 利回りは築年が進むほど上がり、価格は下がります。利回りの高さは空室率の上昇・融資の付きにくさと裏表で、買主は将来の修繕費と空室リスクを織り込んで評価します。
  • 買主層は区で異なります。中央区・博多区は全国の投資家・法人、周辺区は地場・現金買いが中心になりやすく、相場の「動きやすさ」も変わります。
  • 相場は表面利回りだけで見ない。実質利回り・NOI・空室率まで見て、はじめて自分の物件の立ち位置が分かります。

福岡市の一棟マンション相場を知るとき最初に押さえたいのは、相場は一つの数字ではなく「区と築年で動く幅」だということです。福岡市は7区で価格水準も利回りも買主層も大きく異なり、同じ築年でもエリアによって評価が変わります。

本記事では一棟マンション(RC造)の取引価格・推移、築年との関係、7区ごとの相場・利回り・買主層、相場を読む指標までを、エリアデータを交えて整理します。

福岡市の一棟マンション相場の全体像【2026年版】

まず全体像です。当社調べ(2026年版 福岡市7区エリアデータ)では、一棟RCマンションの成約中央値は、最も高い中央区で約3.5億円、最も手ごろな西区で約1.1億円と、区で3倍以上の幅があります。平均表面利回りも中央区4.8%から西区7.1%まで開きます。中心部に近く単価が高い区ほど利回りは低く入居の安定性と資産価値の維持力が高い一方、周辺区は利回りが高めでも駅距離による需要差が大きく、物件ごとの選別が価格に表れます。なお一棟RCマンションとは、鉄筋コンクリート造の建物を一棟まるごと所有する収益物件で、木造アパートより耐用年数が長く融資期間も伸ばしやすいのが特徴です。

1.1〜3.5億円
福岡市7区 一棟RC 成約中央値のレンジ(当社調べ)
4.8〜7.1%
福岡市7区 平均表面利回りのレンジ(当社調べ)
+22〜42%
過去5年の成約価格上昇(区別・当社調べ)

大切なのは、相場を「点」ではなく「幅」で捉えることです。ご自身の物件がどの区・どの築年帯に位置するかを把握できると、売り出し価格や購入判断の精度が上がります。なお本記事の価格・利回り・賃料・空室率は当社が福岡市7区の成約事例等から集計したもので、公的な取引価格・地価は国土交通省 不動産取引価格・地価公示、人口・世帯は福岡市の統計情報を併せてご確認ください。

福岡市の一棟RC 取引価格はどう推移してきたか

次に福岡 一棟RC 相場の推移です。当社調べの概算では、成約中央値は過去5年でいずれの区でも上昇傾向で、とくに中央区は天神ビッグバンを背景に約42%、博多区は博多コネクティッドを背景に約34%上昇したとみられます。これらは当社が把握する成約事例からの概算で、集計時点や対象件数により変わります。一方で賃料の上昇は価格ほど大きくないため、利回りはやや低下傾向です。下表は主要区の成約中央値の推移(当社調べ)です。

年(一棟RC 成約中央値・当社調べ) 中央区 博多区 早良区 東区
2021年 2.46億円 2.09億円 1.49億円 1.28億円
2023年 3.02億円 2.48億円 1.69億円 1.44億円
2025年 3.45億円 2.78億円 1.88億円 1.59億円
2026年 3.50億円 2.80億円 1.90億円 1.60億円
過去5年の上昇率 約+42% 約+34% 約+28% 約+25%

注目したいのは、上昇ペースが2024〜2026年にかけて緩やかになり、踊り場に近い局面へ移りつつある区もある点です。売却の進め方は福岡市の一棟マンション売却ガイドでも整理しています。

2026年の相場観 — 上昇から「選別」の局面へ

価格が上がった事実は「今売れば得をする」とは直結しません。賃料は価格ほど上がらず利回りはむしろ低下し、買い手の慎重さも強まっています。2026年の福岡市一棟RC相場は「全体は底堅いが、立地と築年で明暗が分かれる選別の局面」です。駅徒歩圏・中心部の優良物件は価格が下がりにくい一方、駅から離れた立地や築古・修繕未実施の物件は交渉余地が生まれ、「動く物件」と「動かない物件」の差が過去5年で最も開いています。

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築年数で一棟マンションの価格・利回りはどう変わるか

一棟マンションの相場は、エリアと同じくらい築年数に左右されます。一般に築年が進むほど価格は下がり、表面利回りは上がります。下表は中央区を例にした築年帯別の目安です(当社調べ)。同じ中央区でも、築10年以内と築31年以上では価格が3倍ほど、利回りは2倍近く違います。

築年数(中央区・例) 平均表面利回り 成約価格の目安 空室率の目安
築10年以内 4.0% 約4.6億円 2.8%
築11〜20年 4.8% 約3.5億円 3.9%
築21〜30年 5.9% 約2.4億円 5.8%
築31年以上 7.4% 約1.5億円 9.2%

誤解しやすいのが「築古=高利回り=お得」という見方です。築31年以上で利回りが7%台まで上がるのは価格が下がった裏返しで、同時に空室率が9%前後へ高まる帯でもあります。買主は表面利回りだけでなく、これから必要になる大規模修繕(外壁・屋上防水・給排水・エレベーター等)の費用と空室リスクを織り込んで評価します。利回りの高さと裏側のリスクはセットで捉えてください。

「築20年の壁」と融資期間の関係

築年数の影響で特に大きいのが融資です。RC造の法定耐用年数(税務上の減価償却の基準となる年数)は47年で、多くの金融機関は「47年−築年数」を融資期間の目安にします。築20年なら残り27年、築30年なら残り17年と、築年が進むほど借りられる年数が短くなり、返済額が増えてキャッシュフローが薄くなるため買える買主が絞られます。築20年前後・築30年前後を越えると価格交渉が入りやすくなります。

なお同じ築年帯でも、大規模修繕の実施状況で評価は変わります。外壁・屋上防水・給排水管・エレベーターの修繕が直近で済んでいる物件は「当面の大きな出費がない」ため高めに評価されやすく、修繕履歴が不明確な物件は買主が将来費用を見込んで価格から差し引きます。築年という「年数」だけでなく建物の「状態」も相場を動かします。

福岡市7区の収益物件 相場・利回り・買主を比較

区ごとの違いを一覧にすると、福岡市 収益物件 利回りの構造が見えてきます。当社調べによる7区の一棟RC成約中央値・平均表面利回り・1K平均賃料は次のとおりです。世帯数も併記しました(福岡市統計を参照)。賃貸需要の厚みは世帯数や単身需要に表れ、利回りや空室率の安定性につながります。

一棟RC 成約中央値 平均表面利回り 1K 平均賃料(月) 世帯数
中央区 約3.5億円 4.8% 13,820円 121,560
博多区 約2.8億円 5.4% 12,480円 110,840
早良区 約1.9億円 5.8% 10,340円 108,720
東区 約1.6億円 6.2% 9,420円 153,890
南区 約1.4億円 6.5% 8,860円 121,440
城南区 約1.2億円 6.8% 8,240円 63,580
西区 約1.1億円 7.1% 7,920円 98,210

買主層では、中央区・博多区は単価が高く利回りは低めですが、全国の個人・法人投資家・資産管理会社の需要が厚く相場が動きやすく、天神ビッグバンや博多コネクティッドが駅徒歩圏の価値を下支えします。早良区・東区は西新・千早・香椎の住居需要を背景に長期安定運用志向の買主が中心。南区・城南区・西区は利回りが高めで現金買いや地場の買主が主体になりやすく、「いくらで確実に売れるか」を重視した戦略が向きます。区別の詳しい比較は福岡市の区別利回り相場で整理しています。

注意:表面利回りが高い区=有利、ではありません。利回りが高い区は、価格が抑えられている・空室率が高め・買主の融資が付きにくいといった要因の裏返しであることが多く、出口(再売却)で価格交渉が入りやすい傾向があります。相場表の利回りの数字だけで「お得」と判断しないようご注意ください。

区別の買主層と相場の「動きやすさ」

売りに出したときの買い手の付きやすさは、その区に集まる買主層で決まります。買主層が厚く全国規模に及ぶ区ほど適正価格なら成約が速く、地場の限られた買主に依存する区ほど調整に時間がかかります。下表は7区の主な買主層と、相場の動きやすさ・価格交渉の入りやすさの目安です(当社調べ)。

主な買主層 相場の動きやすさ 価格交渉の入りやすさ
中央区 全国の個人・法人投資家、資産管理会社 高い(買主が厚い) 小さめ
博多区 全国の法人投資家、地場の事業者 高い 小さめ
早良区 長期安定運用志向の個人・地場投資家 中程度 中程度
東区 地場投資家、住居系需要を見込む買主 中程度 中程度
南区 地場投資家、現金買いの個人 中程度 やや大きめ
城南区 地場投資家、現金買いの個人 やや低い やや大きめ
西区 地場投資家、現金買い・選別重視の買主 やや低い(物件差が大) 大きめ

読み取りたいのは、利回りが高い区ほど価格交渉が入りやすい逆相関です。西区・城南区は利回りこそ魅力的でも買主が地場中心で母数が限られ、「相場表の利回り」と「実際に売れる価格での利回り」にズレが生じます。区の評価では利回りの高さと「売れやすさ」をてんびんにかけて見ましょう。

福岡市で一棟マンションを買う買主層と評価のされ方

相場を理解するうえで欠かせないのが「誰が買っているのか」という視点です。福岡市 一棟マンション 買主は、価格が大きいため数字で判断する投資家・法人が中心です。買主が評価で見るのは次の点で、売り手には「どこを整えれば評価が上がるか」の裏返しでもあります。

とくに法人や経験豊富な投資家は、満室時の額面利回りではなく、運営経費・空室・将来修繕を織り込んだ「実力ベースの収益」で価格を逆算します。自分の物件が買主からどう見られるかを想像することが、正しい価格設定につながります。

一棟マンションの相場を読むときに見るべき指標

相場表に並ぶ「表面利回り」は、年間家賃収入を価格で割った指標で、比較の入口には便利ですが、これだけでは実態を見誤ります。一棟マンションは固定資産税・都市計画税、管理委託費、共用部光熱費、設備保守、修繕積立、損害保険料といった運営経費がかかるためです。これらを差し引いた実質利回りや年間の純収益であるNOIで見ると、表面利回りが同じでも手残りは大きく変わります。

たとえば表面利回り6%でも、運営経費率が高ければ実質利回りは4%台まで下がります。さらに購入時には登記費用・不動産取得税・仲介手数料、売却時には譲渡所得税や仲介手数料がかかります。譲渡益にかかる税率は、売った年の1月1日時点で所有期間5年超の長期譲渡なら約20.315%、5年以下の短期譲渡なら約39.63%とほぼ倍の差があります。ただしこれは一般的な説明で、取得費や特例で実際の税負担は変わります。最終的な税額の算定・申告は税理士の業務ですので、概算をもとに顧問税理士と最終確認のうえご判断ください。相場を「価格」だけでなく「手元にいくら残るか」まで含めて見ると、判断を誤りにくくなります。

金利・地価動向が福岡の一棟マンション相場に与える影響

一棟マンションの相場は、物件単体の良し悪しだけでなく金利と地価という外部環境にも左右されます。2026年は金利が緩やかに上向く局面にあり、買主の融資姿勢がやや慎重になっていることが、価格上昇ペース鈍化の一因です。

金利上昇局面で利回りはどう動くか

金利が上がると、買主は「借入コストを上回る利回り」を求めます。物件の利回りと借入金利の差をイールドギャップと呼び、これが薄いと手残りが減るため、買主はより高い利回り(=より低い価格)を求め、金利上昇局面では相場の利回りが切り上がり価格が下がりやすくなります。ただし現金買いも多い中央区・博多区は影響を受けにくく、融資依存度の高い周辺区ほど受けやすい傾向です。

再開発と地価が相場を下支えする構造

天神ビッグバンと博多コネクティッドに代表される都心再開発は、新しいオフィス・商業床が就業人口や来街者を増やし、周辺の賃貸需要と地価を押し上げ、一棟マンションの資産価値を底上げします。ただし効果は駅徒歩圏に集中しやすく、同じ区でも恩恵の届く範囲で価格差が広がります。地価動向は国土交通省 地価公示で物件所在地に近い地点を確認できます。

相場を読むための一次情報の見方

相場を正しく読むには、不動産会社の相場表だけでなく、誰でも確認できる一次情報(公的機関が直接公表している元データ)に当たることが欠かせません。相場表は集計の前提や対象期間が会社ごとに異なるため、一次情報と突き合わせれば数字の妥当性を自分で検証できます。

取引価格・地価と賃貸需要を確認する

実際の取引水準は、国土交通省の不動産取引価格情報で、エリア・種別ごとの匿名化された実取引データとして確認できます。地価公示・地価調査を見れば土地値の方向も分かり、相場表の価格がかけ離れていないかの物差しになります。賃貸需要は福岡市の統計情報で区別の世帯数・単身需要を確認でき、世帯数が増えている区は利回りが低めでも空室リスクは小さい一方、頭打ちの区は高利回りの裏のリスクを慎重に見る必要があります。

福岡市の一棟マンション相場でよくある読み違い

ご相談でよく見られる相場の読み違いと回避策です。

相場は売る・買うの決断の出発点です。一つの数字ではなく、区・築年・収益力・買主層・税負担といった複数の角度から見ることが、納得できる判断につながります。

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よくあるご質問

Q. 福岡市の一棟マンションの相場はどのくらいですか?

A. 当社調べ(2026年版)では、一棟RCの成約中央値は区で約1.1億〜3.5億円、平均表面利回りは4.8〜7.1%のレンジです。中央区・博多区は単価が高く利回りは低め、西区・城南区などは単価が手ごろで利回りは高めです。区と築年で大きく変わるため、物件のある区の数字でご確認ください。

Q. 利回りが高い区を選べば有利ですか?

A. 一概には言えません。利回りが高い区は価格が抑えられている裏返しで、空室率が高め・買主の融資が付きにくいといった要因を伴い、出口で価格交渉が入りやすい傾向もあります。利回りの数字だけでなく空室率や賃貸需要も合わせてご確認ください。

Q. 相場を調べるとき、表面利回り以外に何を見ればよいですか?

A. 運営経費を差し引いた実質利回り、年間の純収益であるNOI、空室率、レントロールの賃料が相場と整合しているか、を見てください。表面利回りが同じでも、経費率や空室の状況で手残りは大きく変わります。詳しい売却の進め方は福岡市の不動産売却完全ガイドもご参照ください。

Q. 金利が上がると福岡の一棟マンション相場は下がりますか?

A. 一般論として、金利が上がると買主の借入負担が増え、買える価格が下がるため、相場には下押し圧力がかかります。ただし影響は区で異なり、現金買いや資産性の高い中央区・博多区は受けにくく、融資依存度の高い周辺区ほど受けやすい傾向です。利回りが切り上がる方向で表れる点も押さえておきましょう。

Q. 築年数が古い物件は相場でどう評価されますか?

A. 一般に築年が進むほど価格は下がり表面利回りは上がりますが、利回りの高さは空室率の上昇や融資の付きにくさと裏表です。RC造は法定耐用年数47年で、多くの金融機関が「47年−築年数」を融資期間の目安にするため、築古ほど買主が絞られ価格交渉が入りやすくなります。修繕履歴が整理された物件は同じ築年でも高めに評価されやすいです。

— Sources —

本記事は一般的な情報提供であり、個別の税額の算定・申告は税理士の業務です。最終的なご判断は顧問税理士にご確認ください。

監修 — 井口 忠二
株式会社アスパートナー 代表取締役 / 相続対策専門士・公認不動産コンサルティングマスター

明治大学商学部卒業、グロービス経営大学院修了(MBA)。大手不動産会社で東京23区トップセールス2年連続受賞。2017年アスパートナー設立。取引実績120億円超・成約800件超。福岡市7区に特化した投資用不動産・相続対策の専門家。

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