不動産売却の費用・手数料はいくら?福岡の一覧【2026】
- 不動産売却でかかる費用は、大きく①仲介手数料 ②税金(印紙税・登録免許税・譲渡所得税) ③その他の実費(司法書士報酬・測量・解体など)の3種類に整理できます。
- 金額が最も大きいのは仲介手数料と譲渡所得税。仲介手数料は「売買価格×3%+6万円+消費税」(400万円超の速算式)で上限が決まり、譲渡所得税は所有期間で税率が2倍近く変わります。
- 印紙税・登録免許税は金額が決まっており、事前に正確に読めます。一方で譲渡所得税は取得費・所有期間・特例で大きく変動するため、費用の中で最も試算が重要です。
- 費用は「差し引いた後の手残り」で捉えることが大切です。表面の売却価格ではなく、諸費用と税を引いた金額で売却の是非を判断してください。
- 本記事では2026年時点の各費用の一覧・計算式・福岡市の収益物件を売った場合の試算例まで、出典つきで整理します。
不動産を売却するとき、多くの方が「結局いくら手元に残るのか」を正確につかめないまま話を進めてしまいます。売却価格ばかりに目が向き、差し引かれる費用と税金を後回しにすると、契約直前になって手残りの少なさに驚くことになりかねません。売却でかかる費用は種類が多く見えますが、整理すれば「仲介手数料」「税金」「その他の実費」の3つに集約できます。本記事では、福岡市で不動産(とくに一棟アパート・収益物件)を売る場合を想定し、2026年時点の各費用の一覧・計算方法・試算例を出典つきでまとめます。なお本記事の数値は一般的な目安であり、個別の費用や税額は物件条件によって変わりますので、最終的な判断は税理士・専門家にご確認ください。
不動産売却にかかる費用の全体像【一覧表】
まず全体像をつかみましょう。売却時にかかる費用は、下表の3カテゴリーに分けられます。金額の大きさは物件や状況で変わりますが、一般的に仲介手数料と譲渡所得税が二大費用で、印紙税・登記費用は金額が小さく事前に確定します。測量費・解体費・ハウスクリーニングなどは「必要な物件だけ」かかる費用で、収益物件では買主が現況で引き受けることも多く、発生しないケースもあります。
| 費用の種類 | 金額の目安 | いつ・誰に |
|---|---|---|
| 仲介手数料 | 売買価格×3%+6万円+消費税(400万円超) | 売買成立時・不動産会社へ |
| 印紙税 | 1万円〜16万円(契約金額による・軽減後) | 契約時・売買契約書に貼付 |
| 登録免許税(抵当権抹消) | 不動産1個につき1,000円 | 引き渡し時・登記手続きで |
| 司法書士報酬 | 1〜2万円程度が目安(事務所による) | 抵当権抹消登記の依頼時 |
| 譲渡所得税・住民税 | 譲渡益×20.315%(長期)/39.63%(短期) | 売却翌年の確定申告時 |
| その他実費 | 測量・解体・清掃など物件により | 必要な物件のみ |
※2026年時点の一般的な整理。金額は物件条件により前後します。買取の場合は仲介手数料がかからないなど、売り方でも変わります。
このうち、印紙税と登録免許税は金額が決まっているため事前に正確に読めます。読みにくいのは譲渡所得税で、取得費や所有期間によって大きく変わります。まずは金額の大きい仲介手数料から、計算方法を具体的に見ていきます。売却の流れ全体と各費用が発生するタイミングは不動産売却の流れ|査定から引き渡しまでの期間と費用で時系列に整理していますので、あわせてご覧ください。
仲介手数料の計算方法と上限額【速算式】
仲介手数料は、不動産会社に売買の仲介を依頼したときに支払う成功報酬です。金額は宅地建物取引業法にもとづく上限(国土交通省の報酬告示)で決まっており、これを超える請求はできません。売買価格の区分ごとに料率が定められていますが、400万円を超える取引では下記の速算式で一度に計算できます。ここに消費税10%が加わります。
| 売買価格(税抜) | 仲介手数料の上限(税抜) |
|---|---|
| 200万円以下の部分 | 売買価格×5% |
| 200万円超〜400万円以下の部分 | 売買価格×4%+2万円 |
| 400万円超の部分 | 売買価格×3%+6万円 |
※宅地建物取引業法・国土交通省報酬告示にもとづく上限額。別途消費税10%。これは「上限」であり、これ以下での合意も可能です。
収益物件のように価格が高い場合、この手数料は大きな金額になります。たとえば売買価格が2.8億円(当社調べ・2026年版 福岡市7区エリアデータの博多区・築11〜20年 一棟RC成約中央値)なら、速算式で「2億8,000万円×3%+6万円=846万円」、消費税を加えると約930万円が上限です。逆にいえば、この料率は法律で決まっているため、会社によって高く請求されることはありません。会社選びで比べるべきは手数料の額ではなく、その会社がどれだけ高く売る力と価格の根拠を持っているかです。仲介と自社買取では手数料の扱いが異なるため、仲介売却と自社買取はどちらが得かもあわせて検討することをおすすめします。
印紙税・登録免許税など税金まわりの費用
次に、金額が固定で読みやすい税金です。印紙税は不動産売買契約書に貼る収入印紙の代金で、契約金額に応じて決まります。不動産の譲渡に関する契約書には軽減措置が設けられており(2026年時点)、下表が軽減後の税額です。登録免許税は、住宅ローンなどが残っている場合の抵当権抹消登記にかかる税で、不動産1個(土地・建物それぞれ)につき1,000円と少額です。
| 契約金額 | 印紙税額(軽減後) |
|---|---|
| 1,000万円超〜5,000万円以下 | 1万円 |
| 5,000万円超〜1億円以下 | 3万円 |
| 1億円超〜5億円以下 | 6万円 |
| 5億円超〜10億円以下 | 16万円 |
※国税庁「印紙税額の一覧表(No.7108)」の軽減後税額。軽減措置には適用期限があります。
たとえば2.8億円で売る場合、印紙税は「1億円超〜5億円以下」に該当し6万円、抵当権抹消の登録免許税は土地・建物2個で2,000円です。いずれも仲介手数料や譲渡所得税に比べれば小さな金額で、事前に正確に見込めます。ローン残債が残っている物件では抵当権抹消が必須になりますので、残債の扱いと合わせてローン残債がある一棟アパートを売る方法で流れを確認しておくと安心です。
司法書士報酬・測量費などその他の実費
上記のほかに、物件や状況に応じてかかる実費があります。まず司法書士報酬。抵当権抹消登記を司法書士に依頼する場合の報酬で、1〜2万円程度が一般的な目安です(事務所により異なります)。売主側の登記費用はこの抵当権抹消が中心で、所有権移転登記の費用は通常買主が負担します。次に測量費。境界が不明確な土地では確定測量が求められることがあり、数十万円かかる場合があります。解体費・残置物撤去・ハウスクリーニングは、更地渡しや原状回復が条件になる場合の費用です。
ただし収益物件(一棟アパート・一棟マンション)の売却では、買主は投資家であり現況のまま引き受けることが多いため、解体や大規模なクリーニングが不要なケースが少なくありません。測量も、既存の確定測量図があれば追加費用は生じません。つまり「その他実費」は物件の状態と売り方で大きく変わる項目で、事前に不動産会社と「何が必要で、いくらか」を確認しておくことが、想定外の出費を防ぐ鍵になります。売却理由や状態にあわせた進め方は福岡市の不動産売却完全ガイドで全体像を確認できます。
譲渡所得税は「費用」ではなく手残りを決める最大要素
売却費用の中で、最も金額が大きく、かつ最も読みにくいのが譲渡所得税です。これは売却で得た利益(譲渡所得)にかかる税で、「譲渡価格−取得費−譲渡費用」で計算した所得に税率をかけます。ポイントは所有期間で税率が大きく変わることです。売った年の1月1日時点で所有期間が5年を超えていれば長期譲渡、5年以下なら短期譲渡となり、税率は下表のとおりほぼ2倍の差がつきます(いずれも復興特別所得税を含む・国税庁)。
収益物件で注意したいのは、建物部分は保有中に減価償却されるため、取得費が当初の購入額より下がっている点です。その分だけ譲渡所得(利益)が大きく出やすく、想定より税額が膨らむことがあります。だからこそ譲渡所得税は「一覧表の一項目」ではなく、手残りを左右する最大の変数として、売る前に必ず試算しておくべきものです。仕組みの詳細は不動産売却の譲渡所得税をやさしく解説、税引後にいくら残るかの考え方は税引後の手残りを増やす考え方で詳しく整理しています。
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当社の査定書は、提示価格に加えて仲介手数料・諸費用・想定される譲渡所得税を差し引いた手残りの概算まで併記します。3〜5営業日で代表・井口より直接お送りします。
費用シミュレーション:福岡市の収益物件を売った場合【例示】
ここまでの費用を、具体的な数字で組み立ててみます。あくまで前提を置いた例示であり、実際の税額は取得費・減価償却・特例で変わります。前提は「博多区・築11〜20年・一棟RCを2.8億円で売却(当社調べ・2026年版 福岡市7区エリアデータの成約中央値)/ローン残債なし」とします。
| 項目 | 金額 | 計算根拠 |
|---|---|---|
| 売却価格 | 2億8,000万円 | 博多区 一棟RC 成約中央値(当社調べ) |
| 仲介手数料(税込) | 約930万円 | 2.8億×3%+6万円=846万円、×消費税1.1 |
| 印紙税 | 6万円 | 1億円超〜5億円以下(軽減後) |
| 抵当権抹消(登免税+司法書士) | 約2〜3万円 | 登録免許税2,000円+司法書士報酬の目安 |
| 諸費用の小計 | 約939万円 | 上記の合計(譲渡所得税を除く) |
※例示。譲渡所得税は別途。金額は物件条件で前後します。
ここに譲渡所得税を加えます。仮に取得費(減価償却後)を2.0億円とすると、譲渡所得は「2.8億−2.0億−約940万円(譲渡費用)=約7,060万円」。長期譲渡(20.315%)なら税額は約1,434万円です(7,060万円×20.315%≒1,434万円)。この場合の税引後の手残りは「2.8億−諸費用約940万−税約1,434万=約2億5,626万円」となります。もし所有5年以下の短期譲渡(39.63%)だと税額は約2,798万円に跳ね上がり、手残りは約2億4,262万円まで下がります。同じ売却価格でも、所有期間だけで手残りが約1,360万円変わる——費用を「一覧」ではなく「手残り」で見るべき理由がここにあります。
費用で損をしないための見落とし防止ポイント
最後に、費用面で後悔しないためのポイントを整理します。第一に、売り出し前に手残りを試算すること。売却価格の見積もりだけでなく、仲介手数料・譲渡所得税を引いた金額を先に把握しておけば、「思ったより残らない」を避けられます。第二に、所有期間の区分を確認すること。5年超か以下かで税額が大きく変わるため、売り時が近い場合は1月1日基準の判定を必ず確認してください。第三に、その他実費が本当に必要かを見極めること。収益物件は現況引き渡しで済むことも多く、不要な解体・測量を避けられる場合があります。
ご注意ください。「仲介手数料が安い」「手数料無料」を前面に出す会社もありますが、手数料は売却価格に対してわずかな割合です。手数料を数十万円下げても、売却価格が数百万円下がれば手残りは大きく減ります。目先の手数料の多寡ではなく、価格の根拠と手残りの総額で判断してください。譲渡所得税は特例(居住用・事業用の買換えなど)で軽減できる場合があり、適用可否は必ず税理士にご確認ください。
費用の全体像がつかめたら、次は「自分の物件だと具体的にいくらか」を数字で確認する段階です。売却価格の相場観と諸費用・税を組み合わせて手残りを描くことで、売るべきタイミングも判断しやすくなります。
費用と手残り、まずは数字を並べて整理しませんか。
売却でかかる費用と税、そして手元に残る概算を、中立の立場で一緒に整理してご説明します。他社の査定書を拝見してのセカンドオピニオンにも対応。代表・井口が直接対応します。
よくあるご質問
国税庁「No.7108 印紙税額の一覧表」/国税庁「No.3211 短期譲渡所得と長期譲渡所得の区分」/仲介手数料の上限は宅地建物取引業法・国土交通省報酬告示、地価は国土交通省「地価公示」/福岡市「人口・統計情報」/区別の成約中央値・利回りは当社調べ(2026年版 福岡市7区エリアデータ)。本記事は一般的な情報提供であり、個別の費用・税額の算定および申告は税理士にご確認ください。
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